《40歳必読》認知症だと気づいた初期症状|63歳の体験談

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東京都在住のある夫婦の体験を元に認知症についてお話を聞くことができました。2013年に認知症の診断を受けた夫。一時は『限界だよ』と思われた介護生活がどのように始まったのか、医師・家族・介護福祉の声を公開。

夫が仕事を辞めてしばらくしてそれは始まりました、今思えば初期症状だったのだと理解できますが、当時は『あれ?こんな性格だったかな?』と重くは感じていませんでした。

1.仕事を辞めてしばらくして変化が起きた

夫が仕事を辞めてしばらくして、これまでお酒を飲まなかったのに毎晩飲むようになったんです。それから、日課だった朝新聞を取りに行きリビングで読んでいたのですが、それもだんだんしなくなり、ソファにただ座っていたり、もう読み終わった本を繰り返し読んでいたりになったんです。

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家族に対して暴言を吐くようになってから、徐々に生活が退廃的になっていきました。夫は会社員として働き60歳にで退職して数ヶ月後の出来事でした。

2.食事への関心がなくなり記憶がすっぽり抜ける

食事への関心が薄れ健康も不安に

これまで夫は、食べることが好きで私も料理が得意としていました。退職後は家で3食食事をとることになりましたが、わたしがパートに出ているときは自分で調理をしたり始めはしていたのですが、だんだんと同じものしか作らなくなり、わたしが用意した夫の大好物も食べても何の反応もしなくなりました。

以前は『厚焼き卵が食べたい』『奈良漬が食べたい』とリクエストをしてきたのですが。それもなくなり『食べたくない』といったと思えば、ご飯を何倍もお代わりしたりと、食事については以前とはまったく趣向が変わったと感じました。

お墓前りへ行ったことをすっぽり記憶から忘れる

お盆休みのとき息子夫婦とお墓前りに行くことがありました。息子の運転でお墓参りをして夕飯のあと息子夫婦はホテルで宿をとり、息子だけは夫が心配だと家に戻ってくれました。夫は息子に対して

夫『お墓参りは明日何時に行くんだ?』

とお墓参りに行ったこと自体忘れていたのです。さすがにこのときは驚き、同時にものすごい不安を覚えました。

『今日息子の運転で行ってきたじゃない。どうして覚えてないの?』と問い詰めると夫は怒りをあらわにし暴言をはきました。息子もこれまでとの夫の変わりようを実感したのかこの出来事をきっかけに深刻に考えてくれるようになりました。

3.病院へ行くまで説得

息子から認知症かもしれないから病院へ行こうと夫に話してもらったが夫は、断固として拒否してきました。

夫『自分はどこも変ではない。物忘れなんてしてない』

返答はいつもおなじで苛立っているような感じで家庭内の雰囲気は最悪でした。息子は滞在日数を2日間伸ばしてくれたが、結局夏の間は病院で受診してくれませんでした。

そのときの私は日に日に人が変わったような姿に不安ばかりが募りました。私も精神的にきてしまい、パートと夫の不安に悩まされる辛い時期でした。秋が近くなり夫にこう言いました。

妻『仕事をやめて半年経つし、あなたの健康が心配だから健康診断をしに行きましょう。』

夫には嘘をついてしまったが、夫は承諾してくれました。病院は総合病院の神経内科で認知症専門医がいるところを息子がさがしてくれました。

4.認知症専門医の受診でいよいよ現実的に

夫と病院に行ったときに看護婦さんにこうお願いしました。

妻『夫はおそらく認知症です。ですがそれを認めてくれないんです。どうか健康診断という名目で認知症の受診をいただくように先生にお願いできませんか。』

看護婦さん困った表情をしていましたが、承諾してくれてカルテにメモを付けて認知症専門医の先生に渡してくれました。すると先生が私のところに来てこう言いました。

医師『実は認知症の方に嘘の理由を付けて受診させようというご家族の方は少なくありません。心中は良く理解できます。しかしこのやり方は良くありません。認知症の方であっても嘘をつかれたことはすぐに気づき裏切られたと怒りの矛先を奥様に向けられます。今後、治療法を試すにしてもお二人の支えあった心や通じる感情はとても大切なのです。』

先生は日に日に不安が募るわたしの気持ちも良く理解していてその上で今後のことを見据えて話してくれました。そして一緒に夫に理解してもらいましょうと、説得してくれたんです。

わたしはこれまで数ヶ月間不安で苦しんできた日々が少し動いたような気がしました。先生は、『奥さんのためにも受診しましょう。家族がこまっているので息子さんのためにもはやく治療を施した方がいい。』ととても堅実に夫に話してくれました。

夫は理解しやっと認知症専門医の受診をしてくれました。結果はアルツハイマー型認知症。

アルツハイマー型認知症の特徴

本人の精神状態は結構穏やかな感じだが、行動や言葉にでるから目が離せない事が多い。

  1. 全般的に脳が萎縮する。
  2. 70歳以上に多い
  3. 男女比では女性が多い
  4. 緩やかに徐々に進行する
  5. 徘徊や妄想など様々な周辺症状が特徴的
  6. 身体症状は良好

5.認知症だとはっきりしたが病状は悪化

病院の診断を受けて通院と薬の服用をしていましたが、夫の症状は見て変わるほど悪化しました。わたしもパートがあるためつきっきりで面倒をみることができず息子共々疲労困憊『限界』を感じているさなか、お友達から介護福祉の話を聞き、地域にある支援センターに相談しに行きました。

介護福祉士『生活の変化がどうして起こったのか当の本人も理解できなくて不思議な現象に振り回されているんです。ご家族と同じように少しづつ病気のせいかなと受け入れてもらう事が大切です。まずは健康的な生活パターンを作るためにデイケアに通ってみてはどうですか?』

病院では認知症患者さんが100人以上にたいして専門医は1人。これまで話を聞いてくれなかったところまで福祉士さんは聞いてくれて、通院や薬というやり方ではなく、生活改善やコミュニケーションを重視していると明らかな大きな違いを感じました。

6.デイケアを通じて状態が改善しはじめる

デイケアとは

デイケアは福祉施設によって内容は大きく異なります。基本的にはコミュニケーションを重視したボランティアを行うところが多いです。

デイケアは毎日通えるし、その間はパートにも安心していけるのですぐにお願いしました。

介護福祉士『始めは嫌かもしれませんがデイケアに来て良かったと思ってもらうために私たちも応援します。』

ありがたい支援を受けて夫の様子も変わっていきました、始めは『いきたくない』と言っていた夫も主体的にデイケアに通うまでに変化したのです。

夫『何か手伝う事ある?』

と声をかけるまでになったのです。

7.夫の気持ちが前向きになった

前向きに夫がデイケアに通うようになった頃わたしも自分の精神的負担が減った事にきがつきました。夫とわたし、どちらが先に変わったのかはわかりませんが、夫とともに変化したんだと思います。

介護福祉士さんの応援は本当に前向きで明るく悩んではいられないという気持ちにさせてくれました。夫はいろいろ暴言をはいていたのですが、今では感謝の気持ちを伝えてくれるようになり優しくなりました。今は毎日楽しく生きがいを感じて家族である事を嬉しく思います。認知症を通じてより深い関係が気付けているのを実感しています。

わたしが夫の認知症を経験して伝えたい事

認知症に染まっていく夫を前に悲しみしかなかったが、これまで一緒にいきてきた夫がいなくなったわけではありません。きちんと話せば通じ合えますし、感情もあります。認知症は治る事はありませんが、何よりも『予防が大切』と知るのが遅すぎました。40歳をこえたなら認知症の知識は知っておくべき、きっと夫もそうしたかったはず。

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